動物倫理の最前線─批判的動物研究とは何か

四六判上製、360ページ 人文書院、2022年


動物をめぐる思想はここまで到達した。

諸学・諸正義との連結を経て総合的解放の理論へと発展した

動物倫理の最新潮流、批判的動物研究—―

その歴史と現状を日本で初めて体系的に解説。

動物研究、動物倫理を本気で学びたい人の必読書!

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【目次】

謝辞

序論

 批判的動物研究

 本書の構成

第一章 動物たちの現状

 食用利用

  肉用牛/乳用牛/豚/肉用鶏/産卵鶏/魚介類

 動物実験

  行動研究/医学研究/製品試験 

 動物園と水族館 

 ペット産業

第二章 道徳哲学

 功利主義革命 

  理論の重要性/功利主義アプローチの問題

 動物の権利 

  内在的価値と生の主体/尊重原則から権利の導出まで/

  権利論の実践的帰結/救命ボートの事例

 新福祉主義

  新福祉主義の実害/新福祉主義の元凶

 廃絶主義アプローチ

  単一争点の活動/平和的な脱搾取の啓蒙活動

第三章 社会学

 抑圧理論

 資本主義

  商品化/物神崇拝

 疎外

 構造的暴力

  労働者の逆境/環境破壊

 動物産業複合体

 エコテロリズム

第四章 ポスト人間主義

 人間学、人間主義、人間中心主義 

  人間の名、動物の問い/生贄構造

 生政治

  生政治と生贄構造/動物生政治

 ポスト人間主義の倫理

  ポスト人間的状況/差異と応答/未分化と変成

 資本・労働・抵抗

  動物労働論/接触地帯/紛争地帯

第五章 フェミニズム

 父権制と自然

  女性・動物・自然/二元論の形成

 父権的抑圧

  残酷への意志/暴力の正当化/生殖支配/性と肉食

 交差性 

  批判的動物研究における交差性/交差性分析の意義

 寄り添いの倫理 

  倫理と感情/動物への寄り添い/エコフェミニズムの倫理

終章 総合的解放

 総合的解放の系譜

 総合的解放の障壁

  特権・単一争点・抑圧オリンピック/社会正義の動物軽視/

  動物擁護の諸問題

 総合的解放の展望

  抑圧ネットワークの解明/共通軸の確立

人名索引

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