農薬散布を阻止しました。

当方の暮らすマンションでは年2回、植栽管理の一環ということで薬剤(農薬)の散布が行なわれていました。動植物への被害が懸念されることから、当方はこれを廃止させるべく、マンションの理事を務めて農薬の弊害を訴え、居住者総会による合意のもと、試験的な散布中止を実現しました。完全な廃止ではないものの、様子見ということで一旦農薬散布が見合わされた成果は大きかったと自負しております。

以下は農薬被害を説明する際に用いた資料です。当方のマンションではトレボン乳剤という、公園などで一般使用されている薬剤が使われていたので、まずはそれに関する問題点をまとめ、次に農薬一般の問題点を概括する形式をとりました。なお、トレボン乳剤に関する記述では動物実験のデータを使用しておりますが、これはあくまでマンション居住者を説得するための戦略であり、当方としては動物実験を肯定する意図は一切持ち合わせておりません。

こちらの資料は任意に流用してくださって大丈夫です。ご自宅やその周囲での農薬散布に反対する際などにお役立ていただければ幸いです。


【トレボン乳剤の問題点】

有効成分エトフェンプロックスについて――

「毒性試験は原体で行われているが、製剤とするためには不活性成分として乳剤や溶剤が使われている可能性があり、原体よりも溶剤や乳剤の毒性が強い場合もある。」

「マウスに多量(半数致死量以下)のエトフェンプロックスを13週間投与した場合、昏睡状態や呼吸困難・やつれた様子などの臨床所見と、死亡率増加・生長の遅れ、赤血球やヘモグロビンの減少、肝臓の変性を伴う肝臓重量増加、尿細管の変性を伴う腎臓重量増加、リンパ系の変化が見られている。また、少ない投与量でも赤血球やヘモグロビンなどの減少が見られている。」

「ラットでは同様に多量に投与した場合、生長の遅れや甲状腺ホルモン減少、コレステロールやLDHなどの血液生化学の変化、肝臓重量増加、甲状腺重量の増加、血液凝固系などへの影響も見られている。 」

「イヌの52週間投与実験では、多量に投与した場合、赤血球やヘモグロビン・全蛋白質・アルブミンの減少、肝臓と腎臓重量の増加が見られている。 」

「マウスへの長期投与実験(2年間)では、多量に投与すると、腎障害が原因であると考えられる死亡率の増加や生長の遅れ、赤血球やヘモグロビンなどの減少、血小板増加などが見られた。腎臓では尿細管に障害が見られた。またより少ない投与量でも影響がでることが報告されている。」

「ラットでの長期投与実験(2年間)では、多量に投与すると生長減少や、血液凝固への影響、尿蛋白の増加、肝臓と腎臓・甲状腺の病変を伴う重量増加が見られた。この研究では甲状腺癌の発生が増加していることが確認された。」

「動物に投与すると、脂肪中に蓄積することが多い。ウシに大量に投与すると、エトフェンプロックスは投与後少なくとも42日間は牛乳から検出される。また、腎臓や肝臓・脂肪組織からも検出される。」

■出典:「エトフェンプロックス (トレボン)」(渡部和男「環境汚染問題 私たちと子どもたちの 未来のために」より)

「極めて速効的なノックダウン効果を示します。また効果の持続性に優れるため、長期間害虫の発生を抑えます。」

■出典:グリーンジャパン「トレボン乳剤」紹介ページ 

→ 残留性が高い。一度の散布では被害がなくとも定期的に使用することで年々人体に有害成分が蓄積するおそれがある。

  *    *    *  

【農薬そのものの問題点】

正確な毒性試験が行なわれない。

  • 生活の場を満たす他の有害物質(農薬、排ガス等)と試験対象の薬剤との複合作用については、「検証する手法がなく、行う理由もないので検証しない」(厚労省)。環境NGOグリーンピース取材、2015年3月31日
→ 殺虫剤を単体で試験するのは現実のシミュレーションになっていない。
安全性が確認された化学物質が他の物質との複合作用で薬害を引き起こすことは、WHOやUNEP等、多数の機関による科学研究によって証明済み。
  • 「薬剤は分解される」。
→ 分解後にできる代謝産物の試験がなされていない。代謝産物が元の農薬よりも強力な毒性を発揮する例は多い。


試験用薬剤と販売用薬剤は製造工程が違う。販売用は大量生産の工程で多くの化学物質を使い、しばしば危険な副産物を生む(ダイオキシン類など)。こうした副産物の影響は試験されない。


農薬は人体実験ができない。定期散布に長年さらされるとどうなるか、体内に入った農薬は人間固有の生理機能や神経系にどのような影響をおよぼすか、などは動物実験では決して分からない。(動物実験の精度は占い以下。医薬品の場合、動物実験により安全が確認されたものの90%以上は臨床試験で不合格となる。)

参考: André Leu, The Myth of Safe Pesticide, Acres U.S.A., 2014


● 歴史

DDT、ネオニコチノイド、有機リン系、・・・

「夢の農薬」「絶対安全」→ 猛毒と判明、数々の健康被害(特に母子)、自然破壊


薬剤耐性

虫は進化して抵抗力を持つ(耐性菌とおなじ)。→ 撒けば撒くほど効かなくなる。

人間は進化が追い付かない。→ 癌、アレルギー、免疫力低下、精神不安定、奇形児出産


便益と弊害

便益

  1. 一時的に虫が減る。
  2. 農薬会社がもうかる。

弊害

  1. 蓄積される毒物(排出不可)。
  2. 次世代以降の薬害(子供は免疫系が未発達なので無防備、母乳に毒物が混入)。
  3. 原因不明、治療不可、訴追不可の疾患(公害病と同じ)。
  4. 長期的には虫が強くなる(より強い農薬→より強い虫→…の悪循環)。
  5. 寿命が長い動物ほど害が大きい(虫<鳥<人間)。
  6. 捕食者(肉食昆虫や鳥など)が減り、長期的には却って「害虫」が増える。
  7. 環境破壊(生態系の撹乱、空気と水と土の汚染)

農薬を撒かなければ・・・

  1. 捕食者(肉食昆虫や鳥など)がいるので「害虫」は一定数以上増えない。
  2. 毛虫などに刺されても原因が分かっているので治療可能。

実際、どのくらい虫による被害が増えるのか。

以上。




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