シーシェパードとビーガニズム

最終更新:2022年2月12日


世間にはシーシェパードをめぐる誤解が渦巻いていますので、以下に同団体とビーガニズムの関係についてまとめたQ&Aを訳出します。出典はシーシェパード公式サイト上の「よくある質問」です(2017年5月アクセス)。


 Q: 日本人に言わせますと、西洋人が肉を食べながら日本人の鯨肉食を非難するのは偽善だとのことです。同意しますか?

 船長ポール・ワトソン: シーシェパードの船はビーガンの船です。船内では動物性食品を提供しません。我々は偽善ではありません。もっとも、自然界の絶滅危惧種を狩り立てる行為と、飼育動物の屠殺とでは大きな違いがあります。アフリカではゴリラやキリン、象の屠殺を野生獣肉取引と言います。日本の鯨殺しも何ら変わりません。鯨肉は海の野生獣肉ですし、捕鯨は法律違反です。つまりシーシェパードは人々の食べものに抗議しているのではなく、水棲野生動物の違法な殺害に反対しているのです。

 Q: シーシェパードは動物の権利団体なのでしょうか?

 ワトソン: 違います。シーシェパード保全協会は海棲野生動物の保全組織で、活動の主眼は海洋生物とその棲息地を守る既存の国際保全法規を執行することにあります。

 Q: ではなぜ船内ではビーガニズムを実践するのでしょう?

 ワトソン: ビーガンなのは我々が保全活動家だからです。端的に言って、海洋には増加の一途をたどる人口をやしない続けられるだけの魚がいません。2030年までに商業漁業は世界中でことごとく破綻を迎えます。すでに大西洋だら、くろまぐろ、オレンジラフィー、マゼランあいなめ、その他、多くの種が激減しました。海の生きものたちに対し、大規模な生物学的ホロコーストが遂行されているのです。そして海で獲られる魚の半分以上は動物飼料にされるので、現在ではぶたと牛が地球最大の魚介類捕食者となっているほどです。飼育される鶏は世界中の角目鳥が食べるよりも多くの魚を食べています。家猫は世界中のアザラシが食べるよりも多くのまぐろを食べています。1尾の養殖鮭をやしなうために50から70尾もの海洋魚が捕らえられます。我々がビーガンなのは魚食が環境犯罪だからです。我々がビーガンなのは海洋保全活動家だからであり、動物の権利活動家だからではありません。


後記(2018年4月25日)シーシェパード公式サイトの「よくある質問」が削除されたため、上の文章に対応する原文をGoogleのキャッシュ機能で取得しました。以下に画像を貼付します。

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