ビーガニズムの定義

近年、ビーガニズムの知名度が増してきたことで、その定義をめぐり日本国内でも様々な意見が交わされる状況となりました。そこで参考のため、以下に英・ビーガン協会(The Vegan Society)のサイトにある「ビーガニズムの定義」のページ全訳を掲載します。言葉の定義は時代とともに変化を遂げますが、原点を振り返ることは常に重要な意味を持つでしょう。

なお、私はビーガニズムの本質を表す言葉として「脱搾取」という訳語を考案しましたが、以下ではあえて元のままの「ビーガニズム」を用いました。文中の〔 〕は訳注です。



ビーガニズムとは衣食その他あらゆる目的による動物の搾取と虐待を、現実的で可能なかぎり暮らしから一掃しようと努め、ひいては人間・動物・環境のために、動物を使わない代替選択肢の開発と利用を促す哲学と生き方である。食事法としては、全体もしくは一部が動物に由来する産物を全て排する習慣を指す。


ビーガン生活の送り方には様々な形があります。けれども全てのビーガンに共通するのは、あらゆる動物性食品――肉(魚類・甲殻類・昆虫類を含む)、乳製品、卵、蜂蜜など――を避ける植物ベースの食生活、さらに動物由来の素材や原料、動物実験を経た製品、動物を利用する娯楽地を避ける習慣です。


歴史

ビーガン食については1944年のビーガン協会設立当初から定義されていたものの、協会がビーガニズムの定義を欠いているという指摘がレズリー・J・クロスによってなされたのは、くだって1949年のことでした。彼は〔ビーガニズムの定義として〕「人間による搾取から動物たちを解放する原則」という案を掲げます。これは後に、「食品・商品・労働・狩猟・実験ほか、動物生命の搾取を伴うあらゆる用途の人間による動物利用を終わらせようと努めるもの」と明確化されました。

協会は初め、1964年の8月に慈善団体として登録されましたが、後に新事業への資産移転を経て1979年12月に有限会社となります。ビーガニズムの定義と協会の慈善目標は、長年月のあいだに修正を施され、磨きをかけられました。1988年の冬には今日の定義が使われだしますが、その後の期間に若干の語句が改められました。

ビーガニズムの歴史について、さらに知りたい方はこちらをご覧ください。


ではビーガンが食べるものとは?

沢山あります。胸が躍るような食品や風味に満ちた、全く新しい世界があなたの前に開かれるでしょう。ビーガン食は豊かな多様性を秘め、あらゆる果物・野菜・穀類・豆類・ナッツ・シードに彩られています。しかもその全てが果てしない組み合わせで調理できるので、決して飽きることはありません。カレーからケーキ、パイからピザまで、あなたの好物は植物性の材料でつくるかぎり何でもビーガン食になります。着想がほしい方はビーガン・レシピをみてみましょう。


食だけではない

ビーガンはあらゆる目的の動物搾取を避けます。多くの人々にとって、この生活スタイルを選ぶ重要な動機は思いやりにあります。服飾雑貨から化粧品や洗面具まで、動物製品や動物実験を経た製品は、想像以上に多くのところで見つかります。さいわい今日ではほぼ何に関しても手頃な値段で容易に入手できる代替品があります。当団体のビーガン商標に登録された製品・サービスだけでも4万7000点を超えるので、ビーガン生活を送るのはかつてないほど容易になりました。今すぐオンライン・ショップを覗いてみましょう。


ビーガン生活の他の部分

医薬品

目下、イギリスの医薬品は全て、人への使用が安全と認められるために動物実験を経なければなりません。しかし覚えておいてください――ビーガン協会は決して、医師に処方された薬を使うなとは勧めません。ビーガンの死は誰も望まないことです! できる試みとしては、かかりつけの医師や薬剤師に、可能ならばゼラチンやラクトースのような動物成分を含まない薬がほしい、とお願いしてみることが挙げられます。さらに情報がほしい方はwww.medicines.org.ukを(イギリスで処方される薬剤の情報と成分リストが閲覧できます)。

医療慈善団体

医療慈善団体を支援している方は、支援先の団体が動物実験を行なっていないかチェックしたくなるでしょう。動物実験を行なっていない団体は多数あり、多くのビーガンは代替実験の方法を積極的に模索する団体に寄付することを好みます。


娯楽

ビーガンはどのような形の動物搾取も支援しないので、動物園や水族館を訪れることも、ドッグレースや競馬に行くこともありません。とびきりの代替案は、救助された動物たちに安全で愛情に満ちた居場所を与える動物サンクチュアリを訪問・支援することです。


もっとビーガン生活について知りたくなりましたか? 無料でできるビーガンの誓いに今日から参加してみましょう。世界には沢山のビーガンがいます――あなたが加われば、私たちはそれだけいっそう強くなれます。




ペンと非暴力

翻訳家・井上太一のホームページ

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